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PFMと同じく70年代イタリアを代表するバンド、アレア。オリジナルメンバーはパトリツィオ・ファリセッリ(Key)、パオロ・トファーニ(G,Synthe)、パトリック・シヴァス(B)、ジュリオ・カッピツォ(Dr)、エドゥアルド・ブスネッロ(Winds)とバンドの要であるギリシャ人、デメトリオ・ストラトス(Vo,Key)です。79年6月18日にデメトリオ・ストラトスは白血病で他界したがその天才的でいて超人的な声は永遠のものとして今でも生き続けている。僕のアレアとの出会いはマグマ系統のバンドを探してる過程で。双方とも闘争心に溢れ、ジャズやフリー・インプロヴィゼーションに長けてると思います。現代音楽が好きな方にも是非一聴して頂きたい。 |
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1.Luglio,
agosto, settembre (nero)
2.Arbeit
macht frei
3.Consapevolezza
4.Le
labbra del tempo
5.240
chilometri da Smirne
6.L'abbattimento
dello Zeppelin
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73年発表の1st。初々しいという言葉は通用せず楽曲、演奏共に完成の域というかそれ以上に上を目指そうとする恐ろしさすら感じさせる。エジプト語のナレーションで幕を開ける@「Luglio,
agosto, settembre (nero)」で駄目だったらアレアを聴くのは止めましょうと言い切れるほどインパクトが強い。地中海、ブルガリア風民謡を髣髴させる執拗なリフの反復と疾走感。間奏のインプロヴィゼーション。キメも見事。彼らの代表的名曲です。A「Arbeit
macht frei」はゆったりとしたイントロからパワフルなジャズロックを展開。サックスが楽曲を引っ張る。B「Consapevolezza」もサックス主体。デメトリオのボーカルは非常に力強さを感じる。C「Le
labbra del tempo」は動静を対比させながらラストは猛烈にテンションをあげていく。展開の巧みさを感じさせる。D「240
chilometri da Smirne」はインスト。エレピとサックスの演奏後ベースソロ、ギターが絡むが主役はドラム。E「L'abbattimento
dello Zeppelin」はインプロからジャズロックを展開。途中で再度インプロを挟み爆発させるあたりは迫力満点。そこいらのバンドには到達不可能、器の違いを感じさせる傑作アルバム。 |
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1.Cometa
rossa
2.ZYG
(Cresctia Zero)
3.Brujo
4.MIRage
? Mirage
5.Lobotomia
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74年発表。前作からエドゥアルド・ブスネッロが脱退、ベースのパトリック・シヴァスもPFM移籍し、後任にアレス・タヴォラッツィを迎え5人編成で作成された。インプロヴィゼーションの比重を高めた2nd。前作同様民族的音の@「Cometa
rossa」で幕を明ける。A「ZYG (Cresctia Zero)」はエレキギターが暴れながらエレピやドラムも追随。間をおいてピアノの一撃後は硬質ジャズロックへ変貌。強烈な楽曲です。B「Brujo」よりインプロヴィゼーションの度合いが高くなる。この曲では楽曲の骨格はある程度あるもののエレピとドラムが光るフリージャズ。デメトリオのボーカルは既に楽器。C「MIRage
? Mirage」は殆ど即興。D「Lobotomia」は耳に突くような電気ノイズナンバー。 |
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1.L'elefante
bianco
2.La
mela di Odessa
3.Megalopoli
4.Nervi
scoperti
5.Gioia
e rivoluzione
6.Implosion
7.Area 5
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最高傑作の呼び名高い75年発表の3rd。ピアノと度迫力のヴォイスで幕を明ける@「L'elefante
bianco」から圧倒的。やはりエスニックな民謡を髣髴させるリフのユニゾンで展開する反復が印象的。A「La
mela di Odessa」はエレピからドラムソロに続きベースとエレピが忙しく動く。途中リズムチェンジ。語りボーカルを中心としたジャジーな展開となる。後半のデメトリオのボーカルは人間技ではないというか彼にしか出来ない妙技。B「Megalopoli」はスペース風オープニングからドラム、ベース、エレピと強烈な演奏を展開。個々の演奏、バンドとしての纏まりも絶頂へと達した様子が窺えるインスト。C「Nervi
scoperti」。こちらもインストで最上級。スピード感は無いがピアノが駆け回ったりドラムやベースの動きも激しく強力な事この上ない。D「Gioia e
rivoluzione」では雰囲気を一転しアコギ。気分転換的安らぎ曲。こんな仄々とした曲も出来る辺りにアレアの自由奔放さを窺えます。E「Implosion」は再び空気を変え、不気味なオープニング。オルガンがリードしながらスピードを上げていくナンバー。F「Area 5」は即興。ピアノ、ギター、ベース、ドラム、声が短いフレーズで語り合う感じ。彼らの音の魅力を満点に詰め込んだ必聴度100%の名盤。 |
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1.Luglio,
agosto, settembre (nero)
2.La
mela di Odessa
3.Cometa
rossa
4.Are(A)zione
5.L'Internazionale
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75年発表のライヴ盤。スタジオテイクを凌ぐ圧倒的な音圧とデメトリオの驚異的な歌唱。生で見てみたかったと思わせる迫力に満ちている。 |
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1.Caos
U parte (1)
2.Caos
U parte (2)
3.Event
'76
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発表は79年になるが76年のライヴ録音。57枚(普通の感情31枚、沈黙11枚、暴力5枚、催眠状態5枚、セックス5枚)のカードから各メンバーが6枚ずつ引き、カードの絵柄にインスパイアされた音を奏でていくという形式を取った完全即興演奏で、デメトリオの声は最早究極の域。とりあえず万人に薦められる作品ではありませんが、音楽的自由を追い求めた彼らの姿を映し出してます。 |
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1.Evaporazione
2.Diforisma
urbano
3.Gerontocrazia
4.Scum
5.Il
massacro di Brandeburgo numero tre in sol maggiore
6.Giro,
giro, tondo
7.Caos
(parte seconda)
Extra
Traks
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77年発表。スタジオ作としては4枚目。@「Evaporazione」は短いイントロ。A「Diforisma
urbano」ではグルーヴィーなエレクトロジャズを展開する。B「Gerontocrazia」は古代民族風のオープニングからジャズへと展開。C「Scum」はピアノのインプロとドラム。ピアノが鮮やかに跳ね回る。ドラムが併走。殆ど両者の独壇場。ラストは演説。D「Il
massacro di Brandeburgo numero tre in sol maggiore」はストリングスで固められたナンバー。E「Giro,
giro, tondo」はデメトリオのボーカルソロからピアノの一撃と共に疾走。ノリの良いナンバーだ。ピアノソロが光る。F「Caos
(parte seconda)」は「EVENT '76」で記載した即興演奏。8曲目はエクストラトラックでインタービューが挿入されてる。以前のような一触即発の演奏は聴けないが実験色豊かで素直に楽しめる好盤です。 |
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